header image

枝折

クレジットカードの仕組みのはなし(オーソリ、クリアリング、セトルメントとかまで)

金融

CREATED: 2026 / 06 / 20 Sat

UPDATED: 2026 / 06 / 20 Sat

国際ブランド、イシュアー、アクワイアラーから、クレカ決済におけるオーソリ、クリアリング、セトルメントまで、簡単に

国際ブランドとは

クレジットカードの国際ブランドには、みなさんご存知の Visa, Mastercard, JCB, American Express, Diners がありますね、僕は Visa を使ってます。

国際ブランドは世界中の加盟店でカードを使えるようにするための決済ネットワークを提供します。
カードを持つ人が世界中のどこの加盟店でも同じように支払うことができるのは、国際ブランドが各国のカード会社や加盟店をつなぐネットワークを整備・運営しているからです。

国際ブランドとカード発行会社の違い

Visa カードというのは別に Visa が発行するカードではありません。
Visa はカードを直接発行するわけではないんですね。

Visa のような国際ブランドは前述のようにネットワークを提供しますが、カードの発行はイシュアーと呼ばれるカード発行会社が行います。
たとえば、楽天カードとかイオンカードですね。

カード会社がカードを発行するには、国際ブランドの加盟審査を通過する必要があります。
国際ブランドの加盟審査を通過したカード会社は、そのブランドのネットワーク上で利用可能なカードを発行することができるわけです。
で、カード会社は発行したカードでの支払いに手数料を乗せることで利益を得ることができます。

つまり、国際ブランドはいわゆるフランチャイザーで、カード発行会社はそのフランチャイジーということですね 👀

アクワイアラー(加盟店管理会社)について

お店がクレジットカードの加盟店になるためには、カード会社と契約を結ぶ必要がありますが、この加盟店の開拓・審査・管理を担う会社をアクワイアラー(加盟店管理会社)と呼びます。
ちなみに、各店舗のカード決済端末はアクワイアラーが提供および管理しています 📅

日本では、カード会社がイシュアーとアクワイアラーの両方を兼ねているケースも多く、自社でカードを発行しながら(イシュアーとしての役割)、加盟店との契約も管理していたりします(アクワイアラーとしての役割)。

国際ブランドとイシュアーとアクワイアラーの関係

項目国際ブランドイシュアー(発行会社)アクワイアラー(加盟店管理会社)
対象カード会社・加盟店(ネットワーク参加者)消費者加盟店
主な役割決済ネットワークの整備・運営・ルール策定カード発行・与信管理・請求・債権回収加盟店の開拓・審査・決済インフラ提供・売上代金の立替
収益源イシュアーとアクワイアラーから徴収するネットワーク利用料(ブランドフィー)加盟店がアクワイアラーに支払う加盟店手数料の一部(加盟店手数料がアクワイアラーからイシュアーへ還元されるという仕組みになっている)加盟店手数料(ただし、一部がイシュアーへ還元されるので、加盟店手数料と還元額の差額が利益となる)

イシュアーの与信管理では、カード申込時の審査や利用限度額の設定に際して、CIC が保有する信用情報が活用されます。
CIC にはローンやクレジットカードの契約・返済状況などが登録されており、いわゆるブラックリストのデータもここから確認できます(ただし、誰でもではなく、銀行などの機関のみに情報が提供されます)。

ちなみに、「加盟店がアクワイアラーに支払う加盟店手数料の一部」となっている、この手数料のことをインターチェンジフィーと呼びます 👀
経産省 インターチェンジフィー

クレジットカードが利用される仕組み

購入から資金移動までのフロー

  1. 消費者がカードを加盟店端末に提示し、カード情報が読み取られる(接触/非接触/オンライン入力)
  2. 加盟店端末がアクワイアラーにオーソリゼーション(承認照会)のリクエストを送信する
  3. アクワイアラーが国際ブランドのネットワークへリクエストを転送する
  4. 国際ブランドのネットワークが、そのカードを発行したイシュアーへリクエストを転送する
  5. イシュアーがカードの有効性・与信枠・不正利用などを確認し、承認または否認の応答を返す
  6. 応答が国際ブランド → アクワイアラー → 加盟店端末の順に返却される
  7. 承認された場合、取引が成立し、消費者に商品やサービスが提供される
  8. 後日、クリアリング(清算)として取引データの照合・集計が行われる
  9. セトルメント(決済)として、イシュアーからアクワイアラーを経由して加盟店へ売上代金が振り替えられる
  10. 消費者の口座からイシュアーへの引き落としは月次で行われる
sequenceDiagram
    participant 消費者
    participant 加盟店端末
    participant アクワイアラー
    participant 国際ブランド
    participant イシュアー

    消費者->>加盟店端末: ①カードを提示・カード情報の読み取り
    加盟店端末->>アクワイアラー: ②オーソリリクエストを送信
    アクワイアラー->>国際ブランド: ③リクエストを転送
    国際ブランド->>イシュアー: ④リクエストを転送
    イシュアー-->>国際ブランド: ⑤承認 / 否認の応答
    国際ブランド-->>アクワイアラー: ⑥応答を返却
    アクワイアラー-->>加盟店端末: ⑥応答を返却
    加盟店端末-->>消費者: ⑦取引成立・商品サービス提供
    Note over アクワイアラー,イシュアー: ⑧クリアリング(取引データの照合・集計)
    イシュアー->>アクワイアラー: ⑨セトルメント(資金振替)
    アクワイアラー->>加盟店端末: ⑨売上代金の支払い
    イシュアー->>消費者: ⑩月次引き落とし

ざっくり言うと、

  1. 加盟店で支払い
  2. オーソリ
  3. クリアリング
  4. セトルメント

の流れですね 🤔

オーソリゼーション(オーソリ)とは

オーソリゼーションとは、カード決済時にイシュアーへ「このカードでこの金額を決済してよいか」を問い合わせる手続きのことです。 オーソリと略して呼ばれます 💸

オーソリが行われると、イシュアーは以下のことを確認します👇

  • カードの有効期限が切れていないかどうか
  • 利用停止や紛失・盗難の届け出が出てないかどうか
  • 利用限度額に余裕があるかどうか
  • 不正利用の疑いがないかどうか

これらの確認に問題がなければ、イシュアーは承認コードを返却し、取引が成立します。
逆に問題があればカード決済は失敗します。

オーソリはあくまで支払い能力の確認を行うステップです。
そのため、この時点ではまだ実際の引き落としは発生しません。

オーソリに合格すると利用限度額から金額が一時的に差し引かれた状態になりますが、実際の口座引き落としやカード会社への資金移動は後続のクリアリングとセトルメントのステップで行われます。

クリアリング(清算)とは

クリアリングとは、オーソリで承認された取引内容をイシュアーとアクワイアラーの間で照合・集計し、最終的な請求額を確定させるステップのことです。

オーソリがあくまで仮押さえなのは前述のとおりです。
実際の金額確定はクリアリングで行われます。

セトルメント(決済)とは

セトルメントとは、クリアリングで確定した金額を実際に移動するステップのことです。
イシュアーからアクワイアラーを経由して加盟店へ資金を移動させます。

セトルメントは通常、クリアリングの翌営業日から数日以内に行われるみたいです。
アクワイアラーはこの資金移動時に加盟店手数料を差し引き、残額を加盟店の口座に振り込むらしいです。

決済代行業者

ここまでは加盟店がアクワイアラーと直接契約する前提で説明してきましたが、実際には決済代行業者(ペイメントサービスプロバイダー、PSP)が加盟店とアクワイアラーの間に介在するパターンも存在します。

PSP は複数のアクワイアラーと接続し、加盟店に対して決済端末やシステムをまとめて提供します。
これにより、加盟店は PSP 1 社と契約するだけで、Visa・Mastercard・JCB などの複数ブランドや、電子マネー・QR コード決済といった多様な決済手段に対応することができるのです。
小規模な加盟店でも比較的楽にカード決済を導入することができるというわけですね👀

を仕舞い